脳室周囲白質軟化症(PVL)と脳室内出血(IVH)について 〜むしゃ美が診断されたとき(父side)〜

病気・手術

初めまして、むしゃ子の夫、むしゃ夫です。 キイロスズメバチと大戦闘を繰り広げたむしゃ夫です。

妻のむしゃ子に無理を言って、今回、記事を書かせてもらうことにしました。

拙い文章になるかと思いますが、お付き合いいただけますと幸いです。

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私たちの娘、むしゃ美は、卵円孔早期閉鎖とその影響による血流不全のため、脳へのダメージを負うことになりました。

卵円孔早期閉鎖については心臓のメカニズムから病気の特徴などを書いている記事がありますので、そちらをご参照ください。

以前、こちらの記事で、むしゃ美には「脳出血」と「脳室周囲白質軟化症(PVL)」があると話をしましたが、むしゃ美の脳出血は正確には「脳室内出血(IVH)」といいます。

この記事ではそれぞれの簡単な説明と、むしゃ美と生まれた日のこと、

頭部の所見について説明を受けたときのこと、私がむしゃ美のMRIを撮ったときのこと

を私、むしゃ夫の視点からお話したいと思います。

非常に長くなりますが、気になるところだけでも読んでいただけると嬉しいです。

では、どうぞ!

(脳室周囲白質軟化症と脳室内出血については、検索すれば、各種医療機関や専門の先生方の記事が見つかると思いますのでなるべく端的に書きたいと思います。)

脳室周囲白質軟化症(PVL)とは

脳室周囲白質軟化症とは、字の如く、「脳室の周り」の「白質」と呼ばれる部分の細胞が、脳血流の低下により軟化(壊死)する病気です。

多くは33週未満(諸説あり)や出生体重1500g未満で生まれた子どもで多いと言われています。

診断にはMRI検査が行われることが多いですが、重症の場合は超音波エコーでも分かります。(新生児の場合、まだ大泉門という頭の骨の隙間が開いているのでそこから超音波が可能です)

症状は壊死の度合いと場所によって個人差がかなりあり、脳性麻痺や知的障害、てんかん、学習障害などが代表的です。

根本的な治療法はありませんが、早期からリハビリを始めることで発達のサポートや、手足の緊張(筋肉の張りや硬さ)を軽減することができます。

脳室内出血(IVH)について

脳室内出血とは、字の如く、脳室の内側で出血が起こる病態です。

主に早産児(特に在胎27週未満の超早産児)に起こりやすく、脳室上衣下胚層のうしつ じょういか はいそう脈絡叢みゃくらくそうと呼ばれる部分の発達が特に未熟なことと、血圧が不安定なことが原因で、これらの血管が破綻することで生じると言われています。

診断には、超音波がはじめに行われることが多いです。

重症度の分類にPapile分類というものがあります。(グレードⅠからⅣの4段階)

発症してしまうと治癒に至る治療法は無く、予防が重要となります。

むしゃ美が生まれた日のこと

むしゃ美が生まれる日、それは突然やってきました。

出産予定日まではまだ1ヶ月以上あり、この日は夕方から夜勤業務の予定でした。

そんな日の朝、

と、里帰りしている妻からのLINE。

驚きでした、すぐさま職場の上司に相談。「夜勤の代わりはこちらで探すから、心配せず、いいから行ってきなさい。」頭の下がる思いでした。

急いで準備し、妻の運ばれたという総合病院まで車を走らせました。(破水から出産までの細かい流れはこちらの記事で書いています。)

当時はまだコロナ禍。県外の私は病棟に入ることもできず、別室で産婦人科の先生から状況と方針の説明を受けました。週末に渡す予定だった御守りを妻の両親に託し、入院の書類をひたすら記入。

他に出来ることは無く、とてももどかしい気持ちでした。

ひとまず、自然に陣痛が来るのを待つということとなり、焦るあまり着替えも持たずに家を出てきた私は下着を買いつつ、当日空いているホテルを探すのでした。

ホテルに着いたものの、何も手につかずあたふたあたふた。上司に明日も休みをいただくことになりそうと連絡を入れ仮眠を取りました。

虫の知らせか、夜中1時半ごろ、ふっと目が覚めたタイミングにLINE。

コロナ禍で立ち会いは出来ませんが、代わりにLINEを繋げてリモート立ち合い?を許可をいただきました。

そしてまさに生まれたその直後、まさかのむしゃ子側がパケット不足で通信が低速度に。。。

おいおい、なんてタイミング!!!と心の中でつっこむ中、低速度通信でカクカクの画面から慌ただしい雰囲気とむしゃ美の挿管される様子が伝わってきました。

とりあえず無事にNICUに運ばれたと聞き、健康でありますようにと祈る気持ちで床につきました。

夜が明けて、9時ごろ。妻からむしゃ美の写真が送られてきました。

挿管され、たくさんのコードが繋がっていましたが、むしゃ子と一緒で1ミリもかわいそうと思うこともなく、かわいいと愛おしいが溢れていました。

そして10時ごろ、小児科の先生から説明を受けることになりました。県外ということもあり、今回は院内に入ることすら叶わず。車の中で説明を受けました。

その中で、大学病院に搬送されることになったと聞き、入院手続きのため再び車を走らせました。

急な転院のためか、大学病院の総合窓口の方まで情報が伝わっておらず、手続きが終わる頃には14時を回っていました。

手続きが済んだところで、NICUの看護師さんから声をかけられ、

「本当は病院ルール的に県外の方はダメなんですが、病院で働かれていることやワクチンを打っていること、そして状況を鑑み許可がでました」

とのことで、特例で主治医の先生から説明を受けることができました。

この時の説明は、卵円孔早期閉鎖で肺高血圧症になっていることについてと、治療方針とリスクについてでした。

説明の後に、薬剤の同意書、鎮静の同意書、症例報告に関する同意書などをひたすら記入しました。

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そして帰り際に看護師さんから驚愕の一言。

「先ほども今回は特例という話をしましたが、今後は県外であるお父さんは完全に面会不可です。また、お母さん(むしゃ子)が退院してからお父さんと会うと、お母さんもお子さん(むしゃ美)の面会が制限されます。」

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

同じ医療職だからこそ痛いほど理解できるものの、親としての立場からは非常に辛い宣告でした。

(しばらくして対応が緩和され、県外でも面会ができるようにはなるのですが、面会予定日の直前に、たまたま職場で対応した患者さんが隠れコロナだったりという不運が重なり、初めてむしゃ美に会えたのは生後27日目のことでした。)

全ての手続き、説明が終わりアパートに帰ってきた時にはもう日が沈んでいました。今思うと怖い話ですが、気力だけで動いており、途中から運転の記憶がありません。事故起こさなくて良かった、、、

妻が運ばれてから帰宅するまで、自分がしっかりしなきゃと気を保っていたのですが、

私の実家へ状況報告にかけた電話で母親の声を聞いた途端、緊張の糸が切れたのか、涙があふれて止まらなくなり、しばらく声をあげて泣きました。

母はただただ傾聴に徹してくれました。感謝です。

この時、これからの分も含めてしっかり泣いたことで、むしゃ美を育てていくことの覚悟が決まったように思います。

生後15日目。頭部の所見について説明をうけた時のこと

むしゃ子(妻)は現地で、私はリモートで、むしゃ美の頭部MRIの説明を受けました。

リモートではありますが、主治医の先生は画像も含めて非常に丁寧に説明してくださいました。

どこかの記事でむしゃ子(妻)が書いていましたが、私は診療放射線技師ですので他の人よりは心得があります。

画像が表示され、先生が口を開くよりも先に

「脳室内出血ですか、、それも脳実質にも進展してますね。」自分でも驚くほど冷静に言葉がでてきました。

冷静な言葉に反して、ある程度の覚悟はしていたものの精神的にはかなりショックでした。

他の画像も見せてもらい、脳室周囲白質軟化症があることも分かりました。

仕事柄、何度も新生児のMRIを撮ったことがありましたが、分からないことも多く、自分の知識の無さに怒りを覚えました。

説明の中でわからないことは何度も何度も、先生に質問をしました。

リモートが終わってからというもの、参考書や文献、育児ブログなどを読み漁る日々が始まりました。

生後8ヶ月、むしゃ美のMRIを撮った時のこと

むしゃ美の1回目のMRIは転院先の大学病院で撮ってもらいましたが、里帰りから戻るタイミングで、かかりつけの病院を私の勤める病院に移しました。

ですので、生後8ヶ月の時に、経過観察で撮ることになった2回目のMRIは、私の勤める病院で撮像することになりました。(細かい話ですが、MRIは撮影ではなく撮像と言います。)

ちなみにこの時には既にむしゃ美の心臓には、動脈管閉鎖用のコイルが入っていました。(こちら(前編)こちら(後編)の記事を参照)

コイルにより、MRIの撮像は決められた制限内で行う必要がありますので、申し送りも兼ねて職場の上司に娘が検査を受けることを伝えると、

「自分で撮りなよ、その方が安心でしょ?」と言われ、まさかの私が検査を担当することとなりました。

当日は鎮静用のシロップを飲んで寝てもらう必要があるので、むしゃ子(妻)が食事と、なるべく寝かせないように調整を頑張ってくれました。

どうやらシロップはお気に召さず吐き出してしまったようですが、座薬とむしゃ子の頑張りのおかげで、とてもうるさいMRIの検査中、ものすごーくいい子にして寝ていてくれました。

撮像した画像の読影を、尊敬する放射線科医の先生にお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。

心の中で少しだけ、「もしかしたら脳室周囲白質軟化症の所見が消えてたりしないかなー」と淡い期待を抱いていたのですが、結果はばっちり所見が写っていました。

自分で撮った画像ですし、読影はプロ中のプロですし、反論の余地はありません。

まぁ、元気に生きててくれるだけで幸せだよね!あとはむしゃ美の可能性に賭けよう!!

可能性を広げるために努力は惜しまないぞ!!!と心に決めた瞬間でした。

おわりに

今のむしゃ美の様子については、むしゃ子が書いてくれている通りです。

発達は非常にゆっくりながらも、一歩ずつ、むしゃ美なりに成長しています。

私たち夫婦にできることは、少しでもむしゃ美の可能性を引き出してあげること。

この春から今の病院に異動してきて、自然豊かな土地柄と周囲の人々のおかげで、精神的な余裕は生まれましたが、勤務形態の都合上、なかなか平日休みが取れず、毎回はリハビリに付いて行くことができません。

毎日、むしゃ美の面倒を見て、習ったリハビリをスパルタで(笑)行ってくれているむしゃ子には感謝しています。

私たちだからこそ、むしゃ美にしてあげられることがきっとあると思います。

将来、むしゃ美に2人の子どもで良かったと言ってもらえるように日々、頑張っていきます!!

参考文献

・よくわかる脳MRI 改訂第3版 学研メディカル秀潤社 青木 茂樹/相田 典子/井田 正博/大場 洋 ほか

・今日の小児治療指針 第17版 医学書院 水口 雅/市橋 光/崎山 弘/伊藤 秀一 ほか

病気・手術

30代 元作業療法士 専業主婦
長女(むしゃ美)の病気や障がい、リハビリや発達
障害福祉サービス
今までの経験、気づき、考え方などを発信中
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むしゃ美(長女)
卵円孔早期閉鎖、動脈管開存症(Ope済)
脳室周囲白質軟化症(PVL)、脳出血、点頭てんかん(服薬中)
脳性麻痺に対して、PT・STあり。発達ものすごくゆっくり

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